ちょっとだけ怪しい、愛のお話

私たちは「優しさ」「愛情」が自分の心の中にきちんとあることを疑っています。

でも、誰かの中の優しさや愛情は見つけるのが上手です。

だから、誰かの中の優しさと愛情を見つけ続けて、

それは自分の中に要素がないと見つけることができない、

と引き戻していくことで、自分の中に存在する同じ思いを見つけることができます。

このやり方は、誰かとのつながりを大切にしないとできません。

だから、誰かとのつながりは、結局は自分とつながることになる、なんてお伝えしています。

で、ですね。

この話って、ここでおしまい、なわけじゃないんです。

むしろ、ここからが肝心、本番、なんです。

目の前の人とのつながりを通して、相手の優しさと愛情を見て、それが自分の中にもあるかもしれない、と感じ始めると、

「だったら、あの人の中にもあるかもしれない」

と優しさと愛情の在処の範囲を広げていくことができるようになっていきます。

この範囲がどんどん広がっていくと、周りの人も、遠くの人も、みんな愛なんじゃないか、と愛を認識できる範囲が広がっていくのです。
 

ずっと孤独でひとりぼっちだと思っていた。

でも、ある時、同じ職場の人が親切で、この人の優しさ、愛情の素晴らしさをずっと見ながら、感謝と応援をしていた。

そして、もしこれが自分の中にあるものだから、見つけて、感じられるとしたら、という視点を持つことができて、自分の中の優しさと愛情に関心を持ち始めた。

すると、本当に少しずつだけど、自分の中にある温かさを感じ始めた。

そんなある日、職場の周りの人の目が意外と優しいことに気づく。

この人、こんな目で私を見てくれてたんだ。

あの人、こんな風に私の仕事を手伝ってくれていたんだ。

この思いは、さらに

もしかしたら、私の周りには、私を見守ってくれたり、応援してくれた人がいるのかもしれない。

ここに進んでいきます。

え？！

だとしたら、この砂漠のようだと思っていた職場にも、温かな人や場所があるってこと？

だったら、

私にひどいことを言って去っていた元彼の中にも。

頑固だった父の中にも

過保護だった母の中にも

同じように優しさと愛情があったってこと？

こんな風に愛は広がっていきます。

大切なのは、

「盲目だった私の心」

に気づくこと。

目を開いてちゃんと見ることに勇気と意欲を持てば、本当の世界が見えてきます。

＊

さて、この話のどこがちょっと怪しい愛のお話かというと、それはここから先になります。

こんな風に視野が広がり、目の前の人、周りの人、遠く離れた人、誰の中にも優しさと愛があって、自分を見守って応援してくれる人の存在がいて、そんな自分の中にも同じものがあるかもしれない、と感じていくと、

この地域の、日本全体の、世界の国々の、あらゆるところに優しさと愛情があるのかもしれない。 

愛を認識する範囲がどんどん広がっていきます。 

すると、

「ってことは、神様仏様みたいな存在が自分のことを見守ってくれてるってこと？」

なんて感じることがあるんですね。

話はいっきに怪しくなりましたよね。

神様でも、仏様でも、大いなる存在でも、なんでもいいと思うのですが、そんな何かしら大きなものが仮にあったとして、

そうした存在からも見守られたり、応援されたりしていたとしたら？

と思ってみると、ちょっとだけでも神様仏様とか運命とか、そうしたものを信じてもいいのかな、と感じたりするようなることがあると私は思うんですね。

 

私は、幼い頃から祖母に、毎日お仏壇に手を合わせなさい、神社の近くを通ったらお参りしなさい、と言われて、そのようにやってはいましたが、心のどこかで神様とか仏様とか、信頼できないと疑っていました。

なぜって、幼い時からどれだけ神様仏様に

「我が家から争いがなくなりますように」

と願っても叶わなかったから。

だからある時から信用できないと思うようになりました。

しかし、誰かとのつながりを通して、相手の優しさ愛情を見て、周りのそれを見て、自分の中に同じものがあること、この世は悪人だけがいるのではなく、優しい人もたくさんいて、そんな人たちが自分を応援してくれていること。

それを感じていく中で、段々と、いるかどうか確かめたことはないけど、神様仏様みたいな存在がいてくださるとしたら、もしかしたら見守ってくれているのかもしれない、と感じるようになりました。
 

そんな大きな存在がいるかもしれないし、いないかもしれません。

でも、あなたも私も周りの誰もが愛だと感じる心が育っていけば、大きな愛で目の前の人も、周りの人も、遠くの人も、見てあげることができるようになると思うんです。

この時、何かしら大きな温かい光に包まれている感じがする。

この世界全体が大きな愛であると感じる時の感覚って、こんな風なんじゃないかと私は思っています。

目の前の誰かとつながって、お互いの愛を見つけていく先には、何かとても大きな愛につながっていくことができる。

この感覚が、この世界の中に大きな愛を見つけていく力になる。

だから、誰かとのつながりって、とても深いもので、誰かと自分とつながるだけでなく、本当に大きな愛につながっていくもの、なんだと私は思います。

＊　＊　＊

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