私たちは自分の価値を低く設定していることが多いので、自己イメージと他者からの評価がズレることがよくあります。
カウンセリングでよく伺うことの一つは
「私は冷たい人間です」
という言葉。
そう言っているご相談者の中で、本当に冷たい人だな、と私が感じた人はいままで一人もいません。
自己イメージでは冷たいと思っているけど、実際は冷たいどころか、優しくて温かい心を持っているんですね。
このように私たちは誤った自己イメージを持っていて、それに支配されているところがあるので、
「自分はこんなにも冷たい人間だから、周りからも冷たい人だと思われているに違いない」
と感じてしまい、仕事やパートナーシップにおいて、ツンケンした態度を自ら取ってしまうことがあります。
「どうせ冷たいと思ってるんでしょ。だったらそういう態度を取ってやるわよ」
知らず知らずのうちに、こんなことをしていることも多く、そのせいで人間関係がうまくいかない、なんてこともたくさん起こります。
原因は相手にあるのではなく、自己イメージの誤解にあるんですね。
ですから、まずは自己イメージを疑って、本当の自分の良さに気づいていくことに意識を向けていくといいのです。
さて、この自己イメージですが、さらに見ていくと、
「悪い自分で居続けないといけない」
とわざわざ思い込んでこれを維持させようとしている場合があります。
多くの場合、これは無意識にやっていることなんですが、一見、デメリットしかないこの思いは、自分にとってはメリットがあると思ってやっているんです。
そのメリットとは、まずは、自分の影響力への怖れ。
これは、先日書いた記事につながる話でもあるのですが、自分は悪い存在だから、周りに悪影響が及ぼさないように自分を制限しないといけないので、悪い悪いと自分に言い聞かせて、自分を閉じ込めようとしているんですね。
（以前の記事＞＞＞「自分の殻を破るについて考える」 ）
この他のメリットとしては、
「自分だけ幸せになってはいけない」
という思いから、自分を幸せから遠ざけるために自分を悪い存在にしてしまう、という場合もあります。
例えば、お母さんがものすごく苦労していて、そんな姿を見て育ったりすると、お母さんより幸せになっては申し訳ない、と思ってしまう。
これも無意識にやっていることが多いのですが、自分にとってはメリットになると思ってしまうのですね。
でも、これってメリットじゃないですよね。
誰かに迷惑をかけたくなくて、誰かを助けたくて役に立ちたくてやっている、このことだけを取り上げたらメリットかもしれませんが、実際はこれをやると、自分が苦しいし、それを見ている大切な誰かを苦しめることになります。
本末転倒なんです。
でも、止められれない。
なぜなら、自分のことよりも誰かのことを助けることが最優先になってしまうから。
この２０２４年、すぐにはできなくても、まずはこうしたことを自分がやっていることに気づいてあげましょう。
気づくだけでいいのです。
気づくだけしかやりようがないほど、この思いは深いのです。
でも、気づくと、どこかで「本当にこれを続けていいのか？」という思いが出てきます。
そんな自分を信頼してあげてください。
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